mikenyan88の日記

折に触れて自分の思ったことをアップしていきます。

ほんとうに大切なもの

これぞ無償の愛といって著者の逝去とともに繰り返し報じられている

小林麻央さんの闘病日記。

多くの読者を惹きつけて離さなかったこの日記からは、何気ない

日常の大切さが伝わってくるとともに、病気に限らず貧困しかり

障がい者しかり弱い立場に置かれた人間がほんとうに必要としているものは

物質的な豊かさよりもむしろ周りからの暖かい眼差しであったり、

不自由であっても少しでも長く愛する家族と過ごせるかけがえのない時間で

あるといったことが感じられるように同じ病者として筆者は思う部分があります。

さて、往年の不朽のプロレス漫画、タイガーマスクの主人公、伊達直人

名乗って各地の児童養護施設などにランドセルを届けた足長おじさんの

ような社会運動が一時話題になりましたが、今をときめく若手棋士

名前を騙って首都圏のある自治体に将棋セットなどの届けた人間が

現れたということで、もちろんこれは善い行いであるものの、

筆者にはいささか引っかかるところがあります。

まずは今回の事案が伊達直人のような架空の人物ではなく、実在で

しかも芸能活動をしていない中学生の棋士の名前を使ったということで、

彼の名前を騙った人間には悪意はなかったのだろうし、寄贈を受けた側から

感謝されるような行いである以上棋士の品位を毀損するものではないけれど、

やはり実在の人物の名前を承諾なくして使っていることはよろしくないと

思うし、今回の寄付を行った人間は棋士のブームに乗って善行をしたい

一心で細かいところまで考えが及ばなかったのかもしれないけれど、

政治家や芸能人を騙る嘘の公式TwitterFacebookが勝手に開設されて

国内外で問題になっていることや、今回の寄付行為をきっかけに

AKB48のメンバーやジャニーズ事務所の人気タレント、あるいは先の

小林麻央さんの名前を勝手に騙って寄付行為を行う人間が次々現れて

たとえいいことであっても自分の名前を勝手に使われた有名人が困惑する

事態になったらといったことに考えが及ばなかったのかと思うところがあります。

もうひとつ、このタイガーマスク運動について言いたいことは、

善意だからいいじゃないではなくて寄付を受ける側の立場や、

先の小林麻央さんのブログに否定的な意見が少ないのに

タイガーマスク運動のほうは現場の児童養護施設などの職員からも

懐疑的な見方が出ていることを当事者が認識すべきということです。

人はパンのみに生きるにあらずではないけれど、物資的経済的な豊かさと

対極の世界を教えてくれた小林麻央さんのブログに比べて、

このタイガーマスク運動は当事者のニーズも聞かないままで一方的に

ランドセルやおもちゃなどを匿名で置いて立ち去るということで

小林麻央さんやタイガーマスクの原作者がほんとうに伝えたかったことと

乖離しているように思えるし、純粋無垢な児童養護施設の子どもたちが

将棋よりもプラレールがいいとか、演歌のCDよりもAKB48のCDのほうが

いいといったら贅沢か無い物ねだりかと問いたい気持ちもあります。

こうした感情論以外にも、昨年の平成28年熊本地震の被災地で

支援物資の食料が余って賞味期限切れになってしまったことや

タイガーマスク運動で不必要なランドセルを置いていかれた自治体や

児童養護施設の関係者が途方に暮れてしまったという問題も考えるべきと

思うのです。

誰かのために何かをしたいという気持ちは尊いことではあるけれど、

恩着せがましく誰かの迷惑になってもいけないし、善意で贈り物を

するにしても、あえてランドセルやおもちゃのような有形の

贈り物ではなく、小林麻央さんではないけれど不自由な環境で

懸命に生きる子どもたちを激励するような心のこもった手書きの手紙に

ほんの気持ち程度の図書カードでも添えてあれば十分と思うのですが

いかがでしょうね。

 

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