mikenyan88の日記

折に触れて自分の思ったことをアップしていきます。

病者にガンバリズムは要らぬ

筆者と同年代のまだまだこれからという年齢で非業の死を遂げた

小林麻央さん。

同年代というだけでなく、筆者も病気で生死を彷徨った経験があるだけに

彼女の闘病生活は他人事とは思えないところがあるし、

自分のことで精一杯のはずなのに最期の時まで周りへの暖かい配慮を

忘れなかった神対応ということばでは片付けられないほどの

無償の愛に感服させられるところです。

ただ、彼女が闘病日記を綴り出してから同じ病者として気になっていたのが

命を賭してまで目に見えない読者に向けて日記を書いて自らを危険に

晒してはいないかということと、この闘病日記の節々から

いつ力尽きてもおかしくない身体で明らかに読者のため皆のためといって

ガンバリズムに縛られていなかったかということです。

同じ病気の人間や筆者のようなキャスター時代のファンのために

近況を日記に綴ること自体は否定しないけれど、大病院の集中治療室に

入らねばならないような状況でも日記を止めなかったり、筆者でさえ

この日記を気まぐれに書かない時もあるのにそれとは比べものに

ならない病状で日記を休んでしまったことを読者に陳謝するなど

ガンバリズムそのものだと思うし、さすがにこういう具体例を出すと

そこまで頑張る必要はなかったのではないかとか、自分のことで

精一杯のはずなのに誰かのためということばに縛られて結果的に

寿命を縮めてしまったのではないかと思った人も筆者だけでは

ないように思うのです。

以前にもここで触れたけれど、彼女が闘病日記を綴り出したきっかけに

医者の存在を自ら挙げたことに悪意はないにしろ頑張れない患者に

対して苦労は金を出してでも買えという美徳を押し付ける白い巨塔

悪しき住人たちの影を感じてしまうし、緩和ケアということばも

広まりつつあるというのに治してナンボ社会復帰させてナンボという

成果主義のような我が国の医療と福祉の体制の矛盾めいたものを

思ってしまいます。

若くして天に召された彼女は長く過酷な旅の疲れを十二分に

癒して、これからは遺された遺族をそっと見守りつつも誰かの

為ではなく自分のために新しい旅を歩んで欲しいと思うけれど、

現世に遺された我々はいつか忍び寄るガンという病の怖さを

十分理解した上で彼女の遺訓と言える日記を読み返して

読者からの相談に自分のことで精一杯の身体で答えるではなく

ガン患者の相談機関や自助グループのサイトのリンクを貼っておくだけで

十分だったのではないかというように彼女とその家族の長く辛い旅路を

検証するとともに、松岡修造とか古臭いスポ根といったノリで

十二分に苦労している病者に上から目線で人の道を説いて

ガンバリズムを強いる医療現場の意識改革を働きかけて

いくべきと思うのですがいかがでしょうね。

同じ治療法やリハビリを行ってもマニュアル通りにいかないのが

医療の常であって実際と思うし、ガンバリズムに直結する

成果主義は医療現場から排除してゆっくり焦らず治していこうという

ことばが医療現場の人間から出るようになれば救われる病者も

多いのではと筆者は思うのです。

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