mikenyan88の日記

折に触れて自分の思ったことをアップしていきます。

夜汽車

レコードの実物を見たことのない若者が珍しくなくなったのに、

レコード大賞とかレコード会社といったようにレコードということばが

音楽の世界に生き残っているように、国鉄が完全無煙化を果たしてから

随分時間が経ったのに夜汽車とか汽車旅といったように日本語の中に

汽車ということばがまだまだ根付いていて、文学や音楽の作品にも

こうした汽車という接頭語や接尾語のつくことばが見られるのは明治時代の

陸蒸気の時代から蒸気機関車が我が国に土着してきた証拠であると言っても

過言ではないと思うし、そういう文化があるからこそ地域や年代を問わず

実際は電車や気動車が走っていても地元の鉄道路線のことを汽車と呼んだり、

踏み切りを表す道路標識に蒸気機関車のイラストが残っているのだと

思うのです。

近年の古き良き日本を見直すブームの影響もあってか国内で

蒸気機関車を復活させる動きが広まっているのは嬉しいことだし、

蒸気機関車への興味をきっかけに鉄道ファン以外にも地元の鉄道の良さを

思い出して貰えたらと思うのだけれど、JR東日本上越線で走ったという

夏でも暗がりの時間帯に走行する蒸気機関車や、静岡県の大井川鐵道

イベント列車として走った半日以上乗り詰めの蒸気機関車には鉄道ファンの

筆者もいささか理解に苦しむところがありました。

とにかく蒸気機関車牽引の列車に乗れればいいという向きには後者のような

乗り詰めの列車もある意味で贅沢の部類に入るのでしょうが、前者の

暗がりを走るほうは乗車しても景色がほとんど望めないし、

真っ暗では撮り鉄も昼間よりも難しいだろうから妙な時間帯に

蒸気機関車を走らせたJR東日本の意図を掴みかねたけれど、

先に触れたような我が国の汽車の文化を思えば、真っ暗闇で

ほとんど車窓が望めない中でただ夜汽車の汽笛を聞くのもかえって

風情があるように思えるし、在来線の特急列車や急行列車を蒸気機関車

牽引していた古き良き時代を知る年かさの人には懐かしさもひとしおであって、

筆者のようなそうした昭和の時代を知らない若いファンにとっても

車窓に気を取られることなく蒸気機関車を堪能できる蒸気機関車

夜間走行はある意味至福の時間を提供してくれるものであると思うのです。

夜間のほうが定期列車のダイヤに左右されにくく蒸気機関車牽引の

臨時列車を割り込ませやすいというダイヤ作成上の利点もあるし、

真っ暗闇ではせっかく蒸気機関車を走らせてもきっぷが売れないと

尻込みせずに、JR東日本以外の蒸気機関車を保有する鉄道事業者

試験的に蒸気機関車の夜間走行を実施してはと思うのですがいかがでしょうね。