mikenyan88の日記

折に触れて自分の思ったことをアップしていきます。

恥の文化

侍が闊歩していた時代から我が国は恥の文化と言われてきたけれど、

生活保護に関する記事を読んでいて恥の文化もこれほどまでなのかと

何ともいいがたい思いがしました。

老齢年金だけではやっていけず、あるいは何らかの事情で無年金状態の

お年寄りの生活保護の申請をサポートする方の手記によると、

お年寄りからすれば孫のような、筆者と同世代の若者のソーシャルワーカー

なぜ生活保護なのか、働けないのか、老齢年金はどうしたのか、

親族は養ってくれないのかと藁にもすがる思いで申請にやってきたのに

心ない言葉を掛けられて精神的に参ってしまうお年寄りがいるということで、

福祉と名のつく学科を出ている筆者も申し訳ないような気持ちに

なりました。

でも、筆者が福祉を学んでいた時を振り返ってみると、社会福祉士

介護福祉士臨床心理士のような国家資格やそれに準じた資格を学生に

取得させて資格取得や就職の実績を作ることに大学側は躍起で、

肝心と言える現場での実習は実務経験のないものには不十分な時間数で

あって、筆者の大学に併設されていた夜間部など多忙な社会人向けに

少ない実習時間数で資格を取得できることをアピールしていたほどで、

福祉を扱う大学のこうした肩書きや実績重視の姿勢が頭でっかちで

相談者の身になった話の出来ないソーシャルワーカーを量産してしまったように

思うのです。

今は筆者も障がい者として国に扶助してもらう側に回ったけれど、

腹を割って話せるのはいくつも資格を持った悪く言えばインテリの

ソーシャルワーカーよりも学歴では彼らに敵わないけれど、

酸いも甘いも味わい尽くしたようなソーシャルワーカーの方で

あるように思うのです。

大学の学びだけでビンテージワインのような熟成味のある人間になることは

難しいけれど、肩書きを振りかざして国の社会保障費を削減することが

正義のように思い込んでいるソーシャルワーカーは本来の意味の

ソーシャルワーカーではないと思うし、基本的人権が保障されているはずの

国で相談者を追い詰めるようなソーシャルワーカーを量産している

我が国の社会福祉教育や関連した資格制度には落ち度があると言わざるを

得ないので、大学は福祉教育の質を改善し、ソーシャルワーカーを採用する

側も志願者の肩書きだけにとらわれず人物本位の採用にするように、

そして異業種の経験を持った中途採用の枠を増やすように採用のやり方を

改善すべきではないでしょうか。

もうひとつ気になったのが冒頭で触れた恥の文化にかかわる部分です。

老齢年金の受給資格もなく金融機関からの借り入れや親族の援助など

他に糧を得る術の見込めないお年寄りも、生活保護などもらうぐらいならば

死んだほうがましと言って頑なに生活保護の受給を拒んで、

支援者の説得でようやく重い腰を上げて受給に漕ぎつけても、

老齢年金代わりだから気にするなというソーシャルワーカーのことばを

一蹴するように生活保護など貰って申し訳ないと生活保護費の受給の

たびに申し訳ないと繰り返してついには自ら命を絶ってしまったと

いうのです。

これには筆者もさすがにショッキングな思いがしたし、先の

ソーシャルワーカー教育の欠陥と合わせて社会福祉にかかわる人間だけでなく

我々日本人すべてが恥の文化のために日本国憲法で保障された

生存権を守るセーフティネットというべき生活保護費の受給を受けるべき

人が受給を拒んで悲しい末路をたどってしまったことを重く受け止める

べきと思うのです。

今まで高齢者の話ばかりしてきたので若者には関係ないという声も

あるでしょうが、会社を病気でやむなく休職した若者に生活保護費の

受給を勧めたら自分も貰う権利があったのですかと言ってキョトンと

した顔をされたというのにはまだ若い筆者も考えさせられるものが

ありました。

筆者も病気で休職というのは経験しているし、以前も触れたように

その後病気が悪化して退職を余儀なくされたけれど、休職の段階では

医師や当時の上司から勧められた傷病手当金しか糧を補填する術が

思いつかなかったし、退職した後も心の準備も不十分な状態での

退職であったために生活保護のことなど思いもよらなかったのが事実です。

暴力団などによる生活保護費の不正受給の話題がたびたびニュースで

取り上げられるし、お年寄りならば老齢年金、筆者のような

ハンディキャップを持った人間ならば障害年金を貰う資格があるのに

なぜ生活保護費まで必要なのかと知識のない人は疑問や怒りを感じて

しまいそうだけれど、会社の業績不振やリストラ、筆者のような

心身の不調で働けなくなることは誰にでも起こりうることだし、

民間の医療保険を掛けていても働けなくなった期間の生活の糧を

カバーしてくれるとも必ずしも言えないので、老齢年金や

障害年金の受給額では今の我が国の物価水準では現役時代よりも

厳しい暮らしを強いられることも踏まえて、我々一人一人が

施しを受けるのは恥だという歪んだ着想を改めて、

憲法で保障されているのだから必要ならば施しを受ければよく、

それはわがままでも怠けでもないというようにイデオロギー

変えていかないと、生活保護の受給の場面での悲劇が繰り返される

ことになると思うのですがいかがでしょうね。