mikenyan88の日記

折に触れて自分の思ったことをアップしていきます。

30年ひと昔

JR東海が来年の創立30周年を記念して記念TOICAを発売するという

話題に、沿線住まいということもあって興味を持ちました。

記念きっぷの類いはファンの心理をくすぐるし、ネットオークションや

買い取り店で売りさばくならともかく、常識的に見て払い戻すことの

考えにくい交通系ICカードの預かり金、正式にはデポジットJR東海

会計上どうなるかという議論はさておいて、30周年の祝賀ムードと

リニア中央新幹線の新駅となるJRゲートタワーの開業も相まって

JR東日本が東京駅の記念Suicaを発売したときのようにフィーバーと

なればという思いです。

このJR東海の記念TOICAのデザインにも興味をそそられます。

創立当時のモチーフが山下達郎のCMソングもヒットした

シンデレラエキスプレス、現在のJR東海のモチーフが流行語大賞

ノミネートされたJR東海高山本線沿線が舞台の君の名は。

見事に世相を反映しているのです。

このふたつの象徴的なイメージはJR東海という会社だけでなく、

我が国の文化やイデオロギーの変化も見事に示していると言っては

考えすぎでしょうか。

シンデレラエキスプレスが放映されていたのはバブル経済真っ只中で、

長時間労働が美徳のように言われて、シンデレラエキスプレス

登場したJR東海100系電車のような鉄道車両だけでなく、

家電製品やリゾートマンション、タワーマンションなど

何でも新しいものが好まれて、シンデレラエキスプレスをはじめとする

イメージ戦略が功を奏したこのJR東海とともに現在では長時間労働

美徳どころかブラック企業の象徴のように言われる元凶を作ったと言っても

過言ではない電通も新卒で有名企業への就職を目指す大学生の

人気企業ランキングで上位を争っていました。

一方で君の名は。です。

舞台となった高山本線の高山駅以北は、JR北海道が単独では運営が困難と

した道内のローカル線と営業成績が五十歩百歩で、今は聖地巡礼

潤う岐阜県飛騨市をはじめとする沿線自治体も数々のドラマや

映画の舞台になったのに廃線騒動に巻き込まれる事態になった

北海道の二の舞は避けたいと、聖地巡礼のブームが一段落した後の

観光戦略を模索していることと思います。

でも、冷静に考えると、君の名は。で聖地となった飛騨古川駅や

街並みは愛知県の博物館明治村のような古い建物を移築した

テーマパークではなく、アニメファンでない地元の住人にとっては

自分たちが何気なく見ている風景が何故聖地と呼ばれるのかと

いう思いかもしれません。

作中の列車のモデルとされるJR東海キハ40系気動車も、老朽化と

武豊線の電化による気動車の余剰を理由にJR東海管内を

すでに走り去った車両なのです。

でも、こうした聖地巡礼のブームを牽引しているのは、バブル経済全盛を

知らない筆者より若い20代以下の若者が中心であって、

生まれたときから容易にインターネットにアクセスできる環境にあった

デジタル世代の若者がアニメで見かけた古き良き日本の原風景や

先のJR東海キハ40系やレコードプレーヤーなどのアナログ機器に

新鮮味を感じて、デジタル社会とは異質な環境に身を置いてみようと

岐阜県飛騨市をはじめとする聖地を訪れようという思いになったように

思うのです。

ダラけっぷりが愛されるリラックマやぐでたまもバブル経済全盛期には

存在しなかったし、山陽新幹線では最速の時速230キロで走っていた

JR西日本100系電車とは比べものにならないスローテンポで走る

JR東海キハ40系気動車が妙な形とはいえ脚光を浴びたのも

何か意味があるように思うし、JR東海と日本経済の次の30年が

少しでも実りある明るいものとなるように、このスローライフ

ブームが一過性のものに終わらずに焦らずゆっくりという考えが

我が国に広まればと思います。

30年後にはリニア中央新幹線の全通を控えたJR東海は相変わらず

人気企業ランキングに入っているだろうけど、悪の帝王に

成り下がってしまった電通ブラック企業番付にはランクインしても

この人気企業ランキングには入って欲しくないし、

厄介者から羨望の的になった国鉄キハ40系気動車

映画のブームを記念してJR東海の運営するリニア鉄道館で大切に

保存されて30年後どころか10年後さえ心配される事態になっている

JR北海道の救世主になっていればと思うのですがいかがでしょうね。