mikenyan88の日記

折に触れて自分の思ったことをアップしていきます。

飽くなき挑戦

国鉄の分割民営化当初、JR東日本で会長職を務めた山之内秀一郎は、

当時JR東日本が管轄していた上越新幹線、まだ盛岡駅までしか開業して

いなかった東北新幹線の二つの新幹線には、東京国際空港新潟空港

花巻空港を結ぶ国内線の航空便が撤退していたために、競合路線と

いえる航空機がなく、東京都と大阪府山陽新幹線沿線の間で激しい

航空機との顧客獲得競争にさらされていたJR東海JR西日本と異なり、

JR東日本は極端な新幹線のスピードアップに取り組む必要性が

あるのだろうかと疑問を呈していた。

実際、当時のJR東日本東北新幹線上越新幹線山之内秀一郎

述べたような状況であり、国鉄時代からの車両でスピードの出ない

JR東日本200系電車が、同じような鼻先のJR西日本0系電車よりも

生き長らえることができたのも、東北新幹線から枝分かれする

山形新幹線や同じように在来線に直通する秋田新幹線の建設に

取り組むことができたのもやはりJR東日本の新幹線がスピード至上主義に

追われる必要がなかったからだと思う。

だが、この秋田新幹線の開業、冬季アジア大会青森県での開催に

伴う東北新幹線盛岡駅以北への延伸あたりから徐々に状況が変わってくる。

秋田新幹線の開業当初、ダイヤの制約で、従来の東北新幹線のやまびこと、

在来線の特急たざわを乗り継ぐのと比べて大して東京都での滞在時間が

変わらないと秋田県の地方紙に書かれたのは鉄道ファンとしては複雑だったが

裏を返せば秋田県の方々がそれだけ秋田新幹線に期待を寄せていたことの

表れであり、この秋田新幹線の開業や、仮の終点だった八戸駅三沢空港

近いことから、否応なしに航空機を意識せざるを得なくなった

東北新幹線の延伸がJR東日本にも新幹線のスピードの向上が必要という

意識を植え付けることになり、それまでのSTAR21やJR東日本400系電車での

速度向上試験の成果をブラッシュアップさせる形でファステック360という

ドラえもんのようなネコ耳と評された試験車両が誕生し、この

ファステック360の速度向上試験の成果として、今日の東北新幹線のエース、

はやぶさJR東日本E5系新幹線電車の誕生を見たのである。

だが、JR東日本の飽くなき挑戦は決して終わって居らず、この

JR東日本E5系新幹線電車を活用して東北新幹線の速度向上試験を

続けているという。

北海道新幹線の全通はまだ先になりそうだが、東京駅と新函館北斗駅

間で念願の4時間の壁を破るためにも飽くなき挑戦が少しでも

結実することを願う。