mikenyan88の日記

折に触れて自分の思ったことをアップしていきます。

駅弁にはやたま号を偲ぶ

ずーっと昔の国鉄時代のことです。

大阪市南海本線難波駅と、国鉄阪和線天王寺駅から三重県亀山市

関西本線亀山駅へ、紀勢本線を大回りして辿る、はやたま号という

鈍行の夜行列車が走っていました。

今は大阪府から和歌山県の南部方面に向かう夜行バスさえ

あるかないかの状態ですが、国鉄紀勢本線南海本線のレールが

国鉄和歌山市駅で繋がっていることを利用してはやたま号の

前身の無名の夜行鈍行は、南海電鉄から国鉄に乗り入れていたのです。

近代的に見える同じ南海電鉄の南海50000系電車ラピートに、

大先輩の夜行列車の名残りの内装が見られるのは、当時を

知らない者にとっても嬉しい限りです。

今回はそんなはやたま号が、一番輝いていた国鉄時代を、

現在のJR紀勢本線阪和線の沿線の駅で買える駅弁を

紹介しながら振り返ってみましょう。

国鉄名古屋駅までは東海道新幹線です。名古屋駅から先、

特にはやたま号はスローペースなので、今のJR東海N700系電車には

及ばないけれど、国鉄0系電車と、昭和の面影が色濃く残る

名古屋駅周辺の風景も目に焼き付けておいてくださいね。

JRセントラルタワーズの工事で潰されてしまったけれど、

当時は国鉄東海道本線用に名古屋駅にも0番ホームが

あったんですよ。

この名古屋駅から亀山駅へは関西本線です。

途中から国鉄伊勢線に入ってしまうキハ82系の特急南紀や、

名駅から違うルートを辿る近鉄名古屋線に乗っても

亀山駅には着かないのでご注意を。

名駅と言えば、焼き蛤で有名な三重県桑名市にありますが、

残念ながら桑名駅には、JR東海近鉄共に蛤の駅弁は

売っていません。

その代わりに、はやたま号の起点の国鉄亀山駅には、

蛤の時雨煮をご飯に乗せてお茶をかけてくれる、

時雨茶漬けの駅弁が有名で、国鉄の分割民営化後も

種村直樹著作にたびたび登場するほどでした。

さあ、ここからいよいよはやたま号ですが、残念ながら名物の

国鉄10系客車の3段式寝台車を連結し、はやたま号と

愛称が付くのも途中の新宮駅からなので、懐かしいボックスシート

座席に揺られて紀州路を下りましょう。

まず外せないのが途中の紀勢本線近鉄山田線松阪駅です。

街に出れば穴場の松阪牛のホルモンの店や、

和田金、牛銀など著名な店に引けを取らない松阪牛

すき焼きを安く食べられる大衆食堂もありますが、

残念なことにはやたま号の停車時間は限られているので、

JR、近鉄両方の駅で買える牛肉弁当で辛抱しましょうね。

でも、JRの牛肉弁当には石川県の北陸新幹線金沢駅や、

同じJR西日本山陽新幹線新神戸駅を意識したのか

日本一高級と言われる特別バージョンもあって、

テレビにも取り上げられました。

もちろん廉価版もあるのでご安心を。

冷めたご飯にも特製のタレの掛かった松阪牛の焼肉が

よく合いますよ。

この松阪駅近鉄山田線と別れると、一気に紀伊山地

熊野古道に分け入るような気がします。

暗がりになると景色も見えにくいので、松阪駅

駅弁と一緒に買った新聞でも読みましょうか。

駅弁といえば、尾鷲駅、新宮駅など三重県南部、和歌山県新宮市

名物はめはり寿司という高菜の葉っぱで酢飯を巻いた

おにぎりのような食べ物と、特産のサンマを使ったさんま寿司です。

どちらかの駅弁が売り切れでも、片方は大抵手に入りますよ。

新宮駅は今でもJR東海JR西日本の分岐駅で交通の要衝ですが、

近くにはやたま号の名前の由来となった熊野速玉神社があること、

ここからいよいよ寝台車が連結されるということで、

ワクワクしてきそうですね。

今はJR西日本287系283系電車などが駆け抜けるきのくに線

はやたま号はゆっくり辿ります。

今はアドベンチャーワールドのパンダが有名な白浜駅や、

小鯛の雀寿司が駅弁としても名高い和歌山駅などを

はやたま号も経由しますが、残念なことに深夜、早朝のため

紀州路の絶景とも駅弁ともこの区間は無縁なので、

終点の阪和線天王寺駅まで体を休めましょうか。

天王寺駅は現在もあべのハルカス天王寺動物園の最寄り駅として

美味しそうな駅弁が並んでいますが、浪速恋しぐれなんて

時雨煮に因んだ駄洒落の、演歌のタイトルのような駅弁は

さすがお笑いと食倒れの大阪市ですね。

大阪市で見倒れ食倒れと洒落込んだり、大阪駅や新大阪駅から

帰途につくのもいいけど、せっかくの旅行だし、懐かしい

ワイド周遊券を持っていたら、国鉄381系電車のくろしおで

暗くてはやたま号の車窓から見えなかった紀州の車窓と、

朝早くて食べ損ねた小鯛の雀寿司や、御坊市の安珍、清姫ゆかりの

駅弁に舌鼓を打ちましょう。

御坊市に行くならやはり紀州鉄道に乗りたいですね。

JR西日本になってから30年を迎えようという現在も、

紀州路快速の深夜便のような形ではやたま号の名残りの

列車が生き残っていることや、前述のJR西日本381系電車が

伯備線で最後の活躍を見せているのは嬉しいことです。